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システムダイナミックスを用いたシミュレーション言語Stellaを用いて、生徒自身が力学(物体の運動、力と運動)のモデリングをする授業を提案する.
高等学校物理の授業では、現象から法則を導き出すことに重点が置かれている.法則に基づいて現象を見直す方法は、従来は問題演習等しかなかった.生徒は問題に対して法則を、数式や記号として適用しており、物理現象を総体的に見直す機会にはなっていない.
コンピュータ・シミュレーションによって法則から現象を見直す試みもなされたが、プログラミング言語や表計算ソフトの習得が困難で、教師が作ったシミュレーションのパラメータを生徒が操作するにとどまっていた.
システムダイナミックスは、動的現象を蓄積量(ストック)と変化量(フロー)の因果連鎖としてとらえる.蓄積量と変化量は、物理量とその物理量の単位時間あたりの変化に相当し、物理の学習者にはなじみやすい.Stellaではストックやフローを画面上に配置することでモデリングができる.グラフや表も容易に作成できる.50分の授業で、生徒に基本的な操作を習得させることが可能である.
生徒は、自分の知識にある法則を適用して現象をモデリングする(演繹的アプロ−チ).シミュレーション結果はグラフなどで視覚的に表示されるの
で、モデルが誤っていると生徒は自分でそれに気付くことができる.そこで生徒は、何が分かっていなかったか、足りなかったかを自分で考えモデルを修正する(帰納的アプロ−チ).演繹的アプローチと帰納的アプローチを交互に繰り返すことにより振り返りが起こり、生徒は自分の中の力学法則を修正し補足していく(図1).モデルが完成したとき、生徒は現象を各要素の因果関係として正しく理解するようになる. 単元は物理Uの課題研究に位置付ける.実験を中心とする通常の授業との連携を図り、現象から導き出された法則を使って、もう一度現象を見直すために、力学の学習を全て終えた時期に行う.平成15年度は、発表会も含め14時間で実践した。
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1 はじめに
考査前の生徒との次の問答をどう思うだろうか?
「あ〜、今度のテストの範囲はここだ。」「この問題は出ますか?」「そうだなぁ、それは範囲内だ。」「出ますか?」
「だから、範囲内。」「出るか出んのかそこを教えて。」
どうも、生徒の大半は、問題集の問題が出るか出ないかだけにこだわっているようだ。テストで点を多く取れることが物理ができることと勘違いしている。
2 脱教科書&脱問題集宣言!の必要性
では、なぜこんな現状になってしまったのか。答えは簡単である。ペーパー試験重視の大学受験が影響している。最近は何々入試というのが導入され、大学側はその方法に限界を感じ変更しているので評価したい。しかし、高校生や親の認識は違う。いまだバブル期のような考えで、大学に入ればどうにかなると思っている。点取り方法を会得して、大学さえ受かればいいという考えだ。しかし、世の中はペーパー問題即解答マシーンなどほとんど必要としていない。自ら問題を見つけ、考え、創造することのできる人間が必要なのだ。つまり、試験で点が取れるのではなく、自ら疑問を見つけ解決する能力が必要なのだ。教科書は世の中が必要とするような子どもを育てるのにふさわしいとは個人的には思えないところもある。運動方程式一つであらゆる現象がそれなりに扱え、力学や電気が、波が、原子が、全てひとまとまりになるところが物理学の面白いところであると考える。それは一連の理論の流れを順序だてて扱うことでのみ可能になると考える。その点において、教科書は現象を個別事項として扱っているような感じが強いので、教科書をただ学ぶだけではおそらく物理の何たるかはわからないだろう。また、大半の高校で教科書メーカーの問題集を生徒に持たせるが、これも問題があるのではないだろうか。テストはここから出すといわんばかりで、解き方の丸暗記でどうこうなるような印象を与えるからだ。
3 具体的作戦について・・・は当日のお楽しみ
特に今回は脱問題集に力を注ぎたい。暗記でどうこうなるようなものではないことの印象付けや、基礎基本が何たるか、それを評価できるようなテスト問題のあり方など、いろいろな観点か
ら意見提示したいと思う。
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1 はじめに
現在の学習指導要領における目標の中に、「自ら学び、自ら考える力を育成すること」とあり、生徒自身の個性に応じた能力を生かす教育が挙げている。
しかし、昨今、「理科離れ」や「理科嫌い」の生徒が増えてきていると言われているいま、生徒の興味・関心を喚起し、理科の目標にもある科学的に探究する能力と態度を身につけさせるために「インパクト」があり、生徒に主体的な探究活動のきっかけとなり得る教材の開発を試みた。
2 研究方法
実際の授業で行った実験・観察で、「@多くの生徒が興味を持つ」、「Aなるべく多方面の分野の内容」、「B準備が簡単である」、「C特に専門的な知識は要求しない」、「D生徒の到達度に応じた幅広い考察ができる」などの条件を満たした素材を模索し、教材として研究した。実験・観察ので留意すべき点としては、「安全であること」が第一に挙げられる。その上で、「自然現象」や「法則」などを、生徒が興味をもって理解し、さらに工夫して発展させていくことができるかである。そのため、なるべく身近にあるものを利用したり、市販されていて誰でも扱うことができるものを取り上げてた。
3 「モデルロケット」の製作および打ち上げ実験
カレンダーやフィルムケースなどを使って生徒たちに火薬式のモデルロケットを製作させて、重心、質量などを測定した上で打ち上げ実験を行い『運動の法則』や『運動量』についての理解を深めさせるものである。
4 おわりに
教育課程の中で『理科』の時間数が減ってきている中で自然科学に対して生徒たちが興味・関心を持って授業に臨む生徒は減ってきているのが現状である。今回の『モデルロケットの製作」において、物理法則の公式を実際の場面で扱うといったことで『物理』に対して親しみを持った生徒が出てくれたことである。これからも、いろいろな場を通じて生徒たちが興味・関心を持てる内容の実験を勉強していきたいと思う。
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1 はじめに
新しい学習指導要領により、以前では章末にあった探究活動は、中単元レベルの内容として位置づけられている。学習内容をより効果的に探究できる実験が重要視されている。この点を踏まえ系統的な学習内容の流れを崩さず、筆者が取り組んできた内容を紹介する。
2 新しい探究活動(5つのアプローチ)
従来のオーソドックスな確認実験は、結果が安易に予想できてしまう。安全面や、内容の定着に有効ではあり、そのような実験を行うことも大切である。しかし、それだけでは、探究心は育たないのではないか。学習内容や生徒に合わせて、できる限り探究的な実験を行っていくことが大切であると考えた。
@ 未知の物質を見極める「わくわく実験」
A 結果の予想できない「どきどき実験」
B 身近な物質を使った「おてごろ実験」
C 生活に密着した日常の疑問を解決「なるほど実験」
D 結論を導くための実験条件を探る「かいけつ実験」
@〜Dのアプローチにより、多くの生徒が興味・関心をもって化学の授業に取り組んでいるようである。もっといろんな実験をしたいという感想も多く、概ね目的は達成されているようである。本校では、理科系のクラブはないが、放課後に実験をしたいという生徒が現れるようになった。
3 今後の課題
学習内容が精選されたとはいえ、導入部(原子・分子・モル)のハードルは依然として、生徒にとって高いものである。5種類の探究活動を通して、化学の学習と身近な物質、現象をどのように結びつけていくかが、今後の課題である。
4 おわりに
多くの生徒は、授業での化学の内容と実生活での経験を結びつけられずにいる。即ち、化学の世界は自分たちとは別次元の世界であるかのように捉えてしまっている。しかし、いろいろな角度から実験を行うことで、化学の内容を自然の現象として感じ、探究心を養う上で非常に大切なこととなるのではないだろうか。
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1 はじめに
本校は、愛知県三河地方にある中堅の公立高校で、99%以上の生徒が進学を目指している。早朝、授業後、土曜日、長期休業中の補習なども行い、基本から受験指導まで、様々な指導を行っている。
2 効率的な指導法
限られた時間のなかで化学の内容をすべて指導する必要がある。ともすると、実験を行わず暗記中心の指導に傾きやすいが、生徒実験を行うことは、化学に対する興味関心を高めるうえでも効果的で必要不可欠なものである。
本校では、演習ノートを作成し、限られた時間のなかで効率的な指導を行っている。生徒実験は、基本操作、硫黄の同素体からタンパク質まで、3年間で計32項目である。
3 組織的な取り組みの必要性
実験と受験指導の両立のためには、研究会などの地区での組織的な取り組みが必要である。学校により生徒の実態は異なるが、各校の実験指導の紹介、疑問点の解明、指導法の研究協議などの効果は大きい。
愛知県三河地方では、三河物化研究会(現在49名)を年間7〜8回行い、校長、教頭、県教育センター指導主事のご指導を仰いでいる。この研究会は昭和40年代に自主的な研究会として始まったもので、以後40年近く続いている。また、この研究会の研究発表の場として東西三河地区合同高等学校理科(物理・化学)教育研究会を行い、毎年5件の研究発表を行っている。その成果が、日本理化学協会東海ブロック研究発表大会や愛知県理科教育研究会高等学校部会研究発表大会などで発表されている。
4 おわりに
愛知県三河地方では国公立大学入学者のほとんどは、公立高校の生徒である。理科離れといわれている現在ではあるが、理系を選択する生徒の割合は、この10数年間大きな変化はない。
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1 奈良高校の現状とその認識
本校は全日制、定時制及び通信制の3課程を併設する普通科高校である。全日制は単位制のため、講座の種類、数とも多い上、化学実験室と化学講義室は通信制と定時制と共用となっているため、干渉することが多い。今春のSSH研究指定を受け、実験のあり方を再考し、より多くの生徒実験を実施する手段を考えることにした。
2 化学教室の基本方針
我々は、「理科離れ」とは、日常の道具のブラックボックス化、実体験の不足などの結果として現れた知識欲の低下であると解釈した。そこで、それぞれの講座のコンセプトを明確にし、できるだけ多くの「実物」に触れさせることを主眼とした授業や実験を計画している。
「一般化学(=理科総合A・B、化学T・TB・U)」では基礎基本を重視し、生徒の関心を引くことを目的とした演示実験や、教科書の内容を確認させる生徒実験が主力となる。また、「総合的な学習」では生徒の自主的な学習を促すことを目的とし、「探究化学」では実験を集中的に行っている。SSH関連では、1年生に情報と総合的な学習の時間を統合した「スーパーサイエンスプ
ロジェクト」3単位を課し、講師を招いての講演や校外での見学・実験を組み入れた展開を企画している。
3 実験の実施と指導方針
数多くの実験を効果的に実施するための工夫として、事前学習への取り組みを強化し、定着率の向上を図ることから始めた。次に、実験のねらいを教員間で共有するため、実験マニュアルを統一した。これは、実験準備・後かたづけの省力化にもつながった。三つ目に、実験実施期間の短縮により、課程間、類型間、学年間の干渉を軽減し、多種の実験を企画できるようにした。四つ目に、効率的な実験のために、使用する実験器具を見直した。
4 終わりに
化学教育の入口論には既に活発な論議があり、工夫がある。しかし、実社会に出た生徒たちに求められるのは、驚くほど高度な判断である。高校化学は生徒たちの知識の獲得の一助となるべきであり、さまざまな出口をつくる工夫があってしかるべきではないだろうか。
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1 はじめに
地学では天文、地震、火山噴火、気象等の自然現象を観察・体験することは重要である。しかし、実際の授業においては、これらの観察・体験は教室内で行うことは困難であり、今まではビデオ教材等を活用したり、モデル実験・実習を行いながら疑似体験させていた。生徒に少しでも実物を見せ、体験させて、興味・関心を深めてやりたいと思いながら授業を行うが、満足に行えなかった。また、教材も十分ではなかった。
そこで、火山教材として北海道の活火山のCD教材の作成を行った。このCD教材は写真を豊富に使って火山の姿を見られるようにし、現地に行って実物の火山を見ているような臨場感を味わえるような教材作りをめざした。また、このCD教材で予習を行い、実際に現地で火山を観察したときに役立つ内容とした。
2 CD教材作成にあたって
このCD教材は北海道の18の活火山・6のカルデラ湖の形成史、特徴を取り上げた内容とし、ねらいは、@教師の教材研究に活用できるように A授業の中で提示して活用できるように B生徒が個別学習で活用できるように という点においた。
CD教材作成にあたっては、@使用する写真は原則として作成者自身が現地に赴いて撮影した写真を使い(著作権をクリアするため) A内容はHTML型式で編集作成(特別な閲覧ソフトを必要としないため)を行った。
3 実際の活用にあたって
インターネットを活用すると、現在の火山体の様子、噴火史等を詳細に調べることができる。インターネットを活用することも学習の一方法であるが、北海道の活火山について体系的に学習するには、このCD教材が役立つと考える。今後は活用方法、学習効果について、検証深めながら検討していきたい。
なお、このCD教材作成の研究は「北海道高等学校理科研究会 研究部地学」の「マルチメディア教材の研究」チームで行っている内容である。
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1 はじめに
学校週5日制による授業時数の減少、新科目の導入、そして理科総合or理科基礎の必修化の影響で、地学を学ぶ機会が減ってきている。場合によっては教育課程上選択できない学校もある。しかし、生徒にとって地球や宇宙については関心の高い分野であり、地球環境のことでいえば、地学は今そして未来を生きる地球人の一般教養ともいえるものである。そこで、埼玉県高等学校理化研究会地学研究委員会では、物理・化学・生物では学べない地学特有の視点とは何か、地学の魅力を再認識できる副読本の作成を目標に取り組んでいる。
2 作成のコンセプト
(1)「空間」・「時間」をキーワードとし、両者を同時にかつ多重的に理解することが最重要な幹である。さらに「環境」を意識しながら両者を扱う。
(2)どの高校でも必ず教えるべき国民的素養を1単位(30時間)に凝縮する。これが「幹」になる。受験に必要な項目や、より発展的な話題、一般教養的な内容は、「枝葉」として付け加えていく。
B 地学専門外の教員が理科総合Bなどで扱うことも配慮する。
3 構成
宇宙の階層構造と時間スケールのとらえ方を最初に設定し、全体的には宇宙から地球へという空間軸、宇宙の誕生から現在、そして未来へと進む時間軸を基本として構成する。そこで、副読本の幹の章立てを次のようにした。
第1章「宇宙の進化」(7時間)
宇宙の階層構造と時間スケールのとらえ方
第2章「地球の進化」(10時間)
生命との共進化というテーマで歴史性に重点を置く
第3章「現在・未来の地球」(13時間)
変化する地表と地球環境問題を扱う
4 展開例
第1章の展開例として、本校1年理数科および2年普通科文系の授業のプロローグとして実施した内容について報告する。
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大腸菌JM109にプラスミドpUC19を使って酸性フォスファターゼ遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子を導入し大腸菌の形質を変化させた。アンピシリンとX−P(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル燐酸二ナトリウム)を含むLB培地で、青色のコロニーを形成することで形質転換したことがわかった。次に形質転換した大腸菌を増殖させ、それからプラスミドDNAだけをカラムで分離抽出した。制限酵素EcoRT、HindVでプラスミドDNAを切断して、酸性フォスファターゼ遺伝子と他の部分に分離した。電気泳動により約1500bpの酸性フォスファターゼ遺伝子部分と2600bpのpUC19部分に分かれたことを確認した。次に酸性フォスファターゼ遺伝子の塩基配列の決定を手動PCRとオートシーケンサーを用いて実施した。即ちプラスミドDNAにプライマーを加え、96℃30秒、50℃15秒、60℃4分の湯浴を25回繰り返し、酸性フォスファターゼ遺伝子部分を増幅させてオートシーケンサーで分析した。
また市販のプラスミドを使っての形質転換も実施した。
@発光クラゲの大腸菌への形質転換実験をBioRad社の実験キットを使って実施した。この実験は発光クラゲのGreen Fluorescent ProteinをコードしているDNAをプラスミドに組み込んだpGLOを大腸菌に入れる実験である。
Aホタルルシフェラーゼの遺伝子を組み込んだ東洋インキ製のプラスミドでも実験した。
@Aいずれのプラスミドも大腸菌を増殖し、抽出後、継続実験している。
今回の実験で次のことが分かった。
1)現在の遺伝子実験を支えているPCRの原理が、実際に手で湯浴を繰り返すことで市販の機器を使わなくても遜色なく増幅できることが分かった。特に高校生にとっては、DNAの複製という生命の根幹が化学反応であるということが実感でき、教育的意義は大きい。
2)平成14年度から高校でもDNA実験が法律上できることになったが、電気泳動、PCRにいたるまで本校のサイエンスリサーチ科の正規の授業のカリキュラムで実施可能であることが分かった。平成15年度はライゲーション反応、平成16年度は毛根よりDNAを抽出、PCR後ALDH2遺伝子を電気泳動する実験をしている。
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1 はじめに
本県高等学校理科総合委員会(理化・生物・地学の各教育研究会から合同で組織したもの)は本年度6年目を迎え、平成14年度までに「理科総合A、B」の実験書を作成し、平成15年度は、本県総合教育センター研修2413講座の研究員と実験実習研究会(県高等学校理科助手の研究組織)と共同で実験指導書を作成した。指導書の作成に関わる研究については平成16年1月に岐阜県教育センターで行われたシンポジウムで発表した。実験書の作成にあたり、実験に関わる単元全体の指導計画を作成するとともに実験の位置づけが明確になるよう配慮した。また、実験の評価項目・評価規準も加えることにより、理科総合の性格・目標に沿った授業展開がスムーズに展開出来るような指導書とした。
2 実験指導書づくりの留意事項
理科総合では、専門外の教員が指導に当たることが予想されるため、指導書については、専門外の教員でも容易に実験が行えるように配慮するとともに、単元ごとの指導計画および実験をどう展開していくかを具体的に示した授業展開案が示してある。さらに実験の評価項目や評価規準も加えることにより、実験目標の明確化と授業改善の手だてを日常的に行えるよう配慮した。
3 指導書と実験書のWeb化について
授業担当者の疑問に電子メールなどを用いて答えられるように、また各学校で加工できるように実験書と共に指導書もweb化し、フィードバック・支援システムを構築した。
@ 実験項目を検索しやすくすること このため、ABの分野別に。指導要領の項目からや、キーワードからの検索などをできるようにした。
A ダウンロードをしやすくすること 実験書および指導書について、1つ1つ個別や分野ごとに、またAB別などにそれぞれをMs-WordおよびPDFでダウンロードするようにした。
4 今後の課題
現在、岐阜県教育センターのサーバー上に実験書・指導書がある。当初考えられていた掲示板やe−learningによるフィードバック・支援システムづくりは、サーバーの問題やセキュリティーの問題を今後解決したうえで、実現する計画である。
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1 はじめに
現代の日本の社会は、環境の点で他の先進国と比較するとまだ低い水準であるため、子ども達に理科総合Aの目標が浸透しにくいものと思われる。したがって、循環型社会工学に基づき、環境に重点をおいた取り組みを紹介したいと思う。
2 環境保護と教育的環境
中学校理科の基礎と理科総合Aで体得する理科的知識をもとに、自然に対する総合的な見方や考え方を養うことがこの教科の目的である。その際、人間と科学技術のかかわりについて感心を高めることが必要であるが、地球環境の保護が叫ばれる中、日本は未だ使い捨て社会から循環経済社会に変わる気配がみられない。環境に関する化学的・工学的技術は進歩しているが、社会・経済システムは発展途上であるためである。よって、消費者でもある子ども達に、この社会のあり方を変える指針を伝えることが重要であると思われる。
3 環境保全へのアプローチ
本校の1年生対象に環境関係の知識量をアンケート形式で調査してみた。地球破壊についての知識は得ているが、環境保全に関わる社会の取り組みについての知識はまだ普及されていないことが分かった。このことにより、理科総合Aの各単元に環境保全に関わる知識を伝えていくことが必要ではないかと考えた。ゴミの分別を正確に行うための物質に対する知識、エネルギーを得るためにどれだけの仕事が必要なのか体験する実験、デポジット制度、ゼロエミッションを行う企業の紹介などをしていくことである。
4 おわりに
本校卒業後、一人暮らしをする生徒が多いので、一市民としてどの様なライフスタイルを地球のためにしていくべきなのか、そのための基盤を理科総合Aを通じて確立させたい。そしてその知識定着度を高めるための努力・取り組みをさらにしていきたいと思う。
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1 はじめに
学習指導要領においては学力を知識の量のみでとらえるのではなく、学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けていることはもとより、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」がはぐくまれているかどうかを見ることが必要であるとされている。そのため、生徒の学習状況を評価する際にもこのような学力観をふまえて評価することが大切である。
2 評価の意義
これまでの評価の在り方は指導の結果としての成績をつけることを意味しており、指導の過程での指導の正否を問うていなかったといえる。新しい評価の在り方では「何のための評価であるのか」という視点に立ち、次の指導に活かしていくために評価を行う。これを教員の立場からとらえると
@教員が指導計画や指導方法、教材、授業等を振り返り 今後の学習に役立てるため。
A生徒のつまずきを見いだし、それを改善するためにど う指導していけばよいかを明らかにする。
などの目的を果たすために行う評価であるととらえることができる。また、生徒の立場からとらえると、
B生徒一人一人の可能性を積極的に評価し、生徒の自己 実現に役立てる。
C生徒自らが学習状況に気づき、自分を見つめ直すきっ かけとなり、その後の学習の充実や発達を促す。
などの目的で行われる評価であるといえる。
3 評価の実際
今回の研究協議においては提案者が昨年度行った研究から、「理科総合A」の「酸化還元」の分野において、実際の授業における評価の方法や評価規準の作成について授業風景を交えながら意見提示を行う。
<引用参考文献>
「高等学校における授業改善のための評価の在り方 2003」奈良県教育委員会・奈良県立教育研究所発行
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1 はじめに
琵琶湖を持つ滋賀県は、環境教育についての取り組みの歴史は古く、行政・住民・学校等で多くの教材や実践事例が蓄積されている。しかし、学校教育については、指導者によるところが大きく、系統性やマンネリ化等の問題が聞かれる。
2 「しが環境教育教材開発研究会」について
「しが環境教育教材開発研究会」は、新たな教材開発や情報発信を行い、教員の資質向上を目的としている。本会の特色として次の3点が挙げられる。(1)校種間の交流に重点をおき、ディスカッションの場を設定する。(2)参加者が持つ専門性を生かし共有していく。(3)インターネット等を活用した情報発信を行う。また、原則として月1回開かれる例会では、毎回2人のメンバーが話題提供または実践報告を行っている。
3 例会の内容から
一例として、池下が高校における酸性雨の実践報告をした後に、『酸性雨』というテーマで、小学校、中学校、高等学校でどのように教えていけばよいかという方向に進んだ。結論として、ある環境問題を扱うときに、原因、機構、対策、影響の4つの観点から学習する必要があり、各校種における理科の内容から、酸性雨問題を取り上げるときの系統性について考察した。
4 今後の展開
今年度は引き続き月1回の例会の実施、実践集の作成、情報発信方法の工夫、教員自身の体験活動等を取り入れていく予定となっている。さらに滋賀県の環境教育の目標をつくることや、環境教育に関する実態調査も考慮に入れている。
5 その他の取り組み
滋賀大学環境教育湖沼実習センターが中心となって「みんなでつくろう水環境マップ」が1996年から始まっている。この事業は、学校や市民に呼びかけて行う調査であり、近年は市民が中心となって活動する形となっている。
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1 環境防災科とその教育理念
環境防災科は2002年(平成14年)に新設された専門学科である。
(1) 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、命の大切さや生き方を考えさせ、災害に対応する力を養
い、社会に貢献できる「防災力」を持った市民のリーダーを育成する。
(2) 自然現象のメカニズムや災害と人間のかかわりの学習を通して、自分たちを取り巻く様々な環境について理解を深める。
(3) 実践的、体験的な学習を通じて環境防災への理解を深め、「地球規模で考え、地域で活動する」の姿勢を持ち、主体的な活動ができる人間を育成する。
という理念の下に教育を行っている。
2 防災教育と環境教育
防災教育というと避難訓練や防災訓練を考えがちであるが、実際はそう単純なものではない。「防災」つまり、「災害を防ぐ」ということは「自然環境を保全しなければならない」と言うことを意味する。酸性雨によって森林が立ち枯れすれば、保水力が無くなり洪水が起こりやすくなる。地球温暖化で海水面が上昇すれば高潮や地震時の津波によって被害に遭いやすくなる。つまり、自然環境が悪化すれば当然、災害も多発するのである。そういう意味では環境と災害とは表裏一体の側面を持っている。従って、防災を学ぶに当たって環境教育は必須のものである。
3 「防災」という観点を取り入れた環境教育
従来の環境教育というのはどちらかといえば、地球環境を守るにはどうすればよいかという点にウエイトが置かれていたと。このことは非常に大事であると。そこをもう一歩踏み込んで、地球環境を保全しなければ、災害が生じる。災害が生じれば自分たちを含めて命が危ない。それを防ぐにはどのような行動をすればよいか。というところまで考えさせるのも大切ではないかと考える。つまり、環境教育はある意味では防災教育でもあり、守る教育でもある。
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1 はじめに
2003年10月1日に「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が施工された。
環境保全は環境保護より環境への人間の働きかけが多いため、今後の環境教育は環境保護から持続可能な社会の構築が主題となる。つまり、教師にも生徒にも明快であった環境破壊は許されない・環境を守ろうという環境教育から、「開発」即「悪」ではなく、便益に伴う環境の破壊をある程度許容しつつ、科学技術等の利用により環境水準を維持するというような高度な考え方や正解のないグレイゾーンについての教育へ変わらなければならない。
具体的にはシロ・クロのはっきりした内容を教えるだけの環境教育では不十分で、将来の市民として環境問題に関与できる能力、すなわち自分で調べ、考え、他人に伝え(発表し)、仲間と運動して、意思決定できる能力を育成することが必要である。そうすることで、市民(非専門家)が専門家とコミュニケーションをとりながら協働して、環境問題を解決するための政策決定に参加する社会が生まれると思われる。
ここでは、環境問題に関与できる将来の市民を育てるための、新しい環境教育に欠くことのできないキーワードについて述べたい。
2 新視点からの環境教育のキーワード
1)専門家と非専門家 2)専門知と公共知、そしてコミュニケーションギャップ 3)リスクとスレット
4)技術倫理 5)リスクコミュニケーション 6)科学的合理性と社会的合理性、そして予防原則 7)公共空間
3 まとめ 統治から協働へ
以上のことがらを高校で学んだ一市民が非専門家として、専門家が非専門家を統治(支配)することを許すことなく、問題解決を専門家任せにすることなく、彼ら自身が専門家と公共空間で協働して、問題解決のための意思決定(政策決定)に
あたることを期待する。
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1 はじめに
先に実施された平成14年度高等学校教育課程実施状況調査の結果の報告で、私の専門である化学についてみると、「当該教科の勉強が好きだ」という質問に対しては48.9%の生徒が「そうは思わない」と答え、「授業がどの程度わかりますか」という質問に対しては、数学の約2倍の数に上る19.7%の生徒がほとんど分からないと答えている。このような現状の中、中学校化学の内容を参考にすることで、高校生が理科(化学)に興味が持つことができるように、自分の授業の改善点を考察してみた。
2 中学生の学習内容に関する認識
私は中学校の学習内容をしっかり把握することなく現在に至っている。そのため、今回中学の教科書を中心に、その学習内容について学習したところ、私の認識とは違った点がいくつかあった。例えば、電気分解については、水についての電気分解をホフマン型の電気分解装置で行っているだろう、という認識であった。確かにそれも中学校で紹介されているが、ビーカーに直接電極を入れ、塩化銅水溶液をを電気分解する説明があった。私は明らかに中学校の授業に対して勝手な思い込みがあり、私の授業での特に導入部分での改善の余地を感じた。
3 授業のやり方についての工夫
まず授業の導入実験に対する工夫の必要を感じた。中学校の教科書を検討するまでは、私の思い込みで発問していたが、実際中学時代に実施したであろう実験を導入することで、生徒には身近に感じられ、また非常に興味を持って取り組めるという感想をもらった。また中学校での実験は探求的に組まれているケースが多く、自分の実施している実験の多くは検証的なものばかりで、今回は電気分解を題材に、今までの授業展開を変え、探求的な実験を多く取り入れた授業の展開方法を試みた。
4 おわりに
今回すべての分野について中学校の学習内容を参考にできたわけではないが、生徒たちがかつて学んだ教材をうまく生かすことが、興味を高めることや理解を高めることにつながるのではないだろうか。
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1 はじめに
本校の「科学と人間コース」は、2つの学校設定科目と総合学習をリンクさせて、1年間「課題研究」に取り組んだ。総合学習では発表する力の育成をねらった。まず学校祭、次に小学校での授業、最後に各自の研究発表である。その中の小学校での実践を報告したい。
2 授業にいたるまで
小学校での授業は、9月に6年4クラスで行った。4月から私自身が総合の時間を利用して、5種類のプランを生徒に体験してもらった。生徒は入学当初ということもあり、十分に楽しみ、6月の文化祭で行うことに意欲を示してくれた。まず教材の理解を重視し、お客さんに楽しんでもらうため演じることを求めた。文化祭では初めての内容でもあり、観客が少なく、生徒はやる意義を感じながらも不完全燃焼気味であった。
私自身は5年ほど前から、毎学期地元の小学生対象に、「わくわく科学教室」を行ってきた。この体験から、小学校で授業をしたら、小学生にも高校生にも実りのある実践ができると考えていた。
3 授業内容
6−1 「メガホンの発明」
音の伝わり方を実際に体験する。
6−2・3 「しゅぽしゅぽ」
真空について考える。空気を粒で考える。
6−4 「ころりん」
斜面落下の法則について考える。
文化祭で行ったことをほぼそのまま実施した。ただし小学生に話すことを常に意識するように徹底した。
授業は、仮説実験授業研究会の成果をもとに、「楽知ん研究所」が作った〈大道仮説実験のプラン〉を使用した。フリップと紙芝居を組み合わせ、誰にでも楽しく科学がわかるように工夫されている。生徒にはこのプランをじっくり理解してもらい、うまく演じられるように何度も練習してもらった。
4 感想と成果
小学生の感想も高校生の感想もとても良好であった。新聞社の取材も受け、小学校の先生方にも好評であった。それ以後の課題研究発表にもうまくつながり、堂々と発表できる生徒が何人も出てくれた。この実践は簡単に誰でも追試ができるものであることも述べておきたい。
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1 はじめに
小・中学校の新しい教育課程のもとで学習をしてきた生徒が高校に進学して2年目を迎え、イオン・仕事・遺伝などを知らない生徒に対する高校理科の指導にこれまでにない戸惑いが見られる。一方、従来、教えることの「上限」だった学習指導要領が「下限」とされ、教科書にも発展的項目が扱われるようになるなど、小・中学校の現場で実際に教えられている内容が相互に把握しにくくなっている。
2 大阪府高等学校理化教育研究会の活動
このような状況の中、大阪府高等学校理化教育研究会では、これまで実施していた小・中学校理科教員との懇談会をより精力的に開催し、情報交換を進めている。
この懇談会では、小・中学校での定量的な扱いに関する指導内容が削減し、量的な扱いを苦手とする生徒が増加しているという指摘や、中学校では、今回削減された項目のうちのいくつかを、実際には授業で引き続き扱っているという意見なども参加者から出された。
また、本研究会では、小・中学校の理科教員対象のアンケート調査を実施し、それぞれの校種の理科教育の現実や課題、学習指導要領に対する意見等を調査すべく準備を進めている。
3 今後の課題
1人の児童・生徒を小・中・高の理科教員が指導する場合、それぞれの教科書から情報を得るだけに終わらず、他校種の教員との交流を頻繁に行い、実質的な情報交換を行い、それぞれの抱える課題を共有することが有効である。
その中で、12年間の理科教育ありかた、社会のニーズを考慮し、子供の発達段階に応じた小・中・高の理科教育課程について話し合うことができるものと考えている。また、そのことが契機となり、教材や実験指導に関する情報交換、出前授業の実施など、さらに幅広い連携にも発展させることができるのではないかと期待している。
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1 はじめに
生徒に伝えたい自然科学の情報や知識と深くかかわった社会的な課題は多くある。系統的な知識の積み上げを基本にしている教科の学習では、自ずと内容的な限界が見えてきてしまう。筆者が行っている選択科目「環境科学」と「生命科学」の教材化の過程で得られた成果と問題点を紹介したい。
2 環境科学
2単位の選択科目として「環境科学」を開講して10年近くになる。Act locallyを講座の基本にしている。地域の自然と向き合い、つながることによってその豊かさと課題に気づけるよう教材化を進めてきた。そして地域での生活を振り返ることによって「環境の自分化」に至り、はじめてグローバルな課題へと発展させていくことができると考えている。具体的には、水質調査やヤゴ調査・里山調査等を行っている。内容的には多分野にわたるため地域の方を生き物調査に同行してもらったり、景観調査を専門にしている大学の教員の出前授業等も組み込んでいる。教科書では、情報や知識の伝達に終始しがちであるが、学際的な見地に立てば、調査から得られる結果を社会科学的な分析を加えることができる。そういう意味では、環境学という学際的な学習といえる。また、このような授業が可能になったのも地域の環境保全活動に筆者自身が参加し、共に活動する中で獲得した人的つながりによるところが大きい。
3 生命科学
00年に開講した「生命科学」は、生徒の関心の高い生命進化を取り上げ、自己の生き方と関係をもたせるため、生命誌としている。多様な生き物の繁殖戦略も含め紹介し、二倍体生物への進化の過程で多様性と引き換えに「性・老化・死」が伴うようになったことを押さえることができる。ヒトの進化からは、ジェンダー論へと進めていく。死に関しては、アポトーシスによる死の遺伝子を紹介し終末期医療を、補助生殖医療からクローンや受精卵診断等、将来的に判断や行動を迫られるような課題を生徒の意見を交えながら学習している。多様性や階層性をキーワードにしているが、このような言葉は、社会学でも多用されている。言葉のもつ力を利用して自然科学と社会科学を統合するような教材化を行えたと感じている。また、生き物を育てることに経験が非常に少なくなっていると感じられるため、キノコやキクの栽培も年間通して行っている。若者にとって消費生活者としての自己でなく生産者としての自己を見つめさせる作業も必要であると思う。
4 おわりに
筆者は、和歌山の田舎育ちである。「原風景」「原体験」をもち、学生の頃から水俣病等との出会いを含め自己の専門(化学)を問い直す機会をもつことができたと思っている。教職に就き、20年になるが、化学以外に生物・地学・物理分野を教える機会も多く生徒の科学リテラシーをそして市民性をより豊かにしていこうと考えたとき、自然科学の情報だけでは示しえない社会問題の多いことに気づく。実験や調査を含め具体的な社会問題に一定の方向性を与えられるのは、理科の教師をおいてはないように感じている。長い教職経験の中でぜひともボランタリィな精神を持って学際的な視点を持ち社会との関係性を意識しながら、生徒の市民性を育むことのできる教師でありたいと考えている。
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| 1 はじめに 物理学は現実との対応が大切である。現実との対応を深めた物理を実践しているうちに、生徒の興味を引き起こし、他教科との連携を持たせることが出来たので、その実践例を報告する。 2 実践報告 (1)手作り楽器演奏会 物理では「音」を数量的に捉え、音楽では「音を感覚的に捉えている。美しいと感覚的に感ずることにも、数量的な美しさがあることを示したのはピタゴラスである。10数年前から本校では、「音」の単元の学習の最後に楽器を手作りさせて演奏会を実施している。昨年度は音楽科の先生が興味を示してくださったので、音楽科と協力して手作り楽器演奏会を実施した。 楽器を製作するにあたって、物理の定常波、腹と節、共鳴などの知識が必要で、物作りでは道具の使い方、演奏には音楽的な知識が必要である。手作り楽器は、いろいろな方面からの探究学習が可能で、総合学習に相応しい内容である。 (2)力学の学習とガリレオの宗教裁判 慣性の法則の理解は必ずしも易しくはない。「力が働かなければ等速直線運動をする。」と言っても、アリストテレスと同じように「投げたボールには投げた力が残っているのだ。」と考える生徒も、少なからずいる。「もし、地球が動いているなら空を飛ぶ鳥はどうして、置いていかれないのか。」このことを理解するのに、人類は2000年の歳月を要した。ガリレオが地動説を主張しても、大衆は単純な論理を受け入れ易い。ガリレオの宗教裁判による思想統制、言論弾圧によりイタリアから科学の発展を奪った。 3 おわりに ・手作り楽器では、準備、製作、演奏会で4時間の授業時間を充当している。・科学史を取り入れた授業では、物理学の目的、研究方法、対立する意見の討論、法則の理解に弁証法的な思考が大切であること強調し、授業を進める必要がある。 |
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1 はじめに
本校では、総合的な学習の時間である1年次での『探究入門』(1単位)、2年次前期の『探究基礎』(2単位)と、学校設定科目である2年次後期の『ゼミT』(2単位)、3年次の『ゼミU』(4単位)で構成される探究的・問題解決的学習に取り組んでいる。ここでは、理科教育の観点から、その成果、課題について論じていきたい。
2 本校の取り組み
『探究入門』は、調べ学習を中心として「学び方」「調べ方」「発表の仕方」の習得をめざす。『探究基礎』は、グループ毎に、課題事例について本格的に調査・観察・実験等を行い、問題解決のための実践的な知識や技能を習得する。『ゼミT』『ゼミU』は、『探究入門』『探究基礎』で培った知識や技能を用いて、生徒一人一人が決定したテーマを研究し、論文にまとめる。その過程で思考力・判断力・表現力などを養い、豊かな創造力と問題解決能力を高めることを目的としている。
3 成果
『探求基礎』、『ゼミT・U』の自然科学系講座では、1つの現象を突き詰めていくために、十分に時間をかけ、試行錯誤を繰り返して実験していく。その中で生徒は実験に熟練するだけでなく、改良を行ったり、他の方法を試みたりと、様々な観点から現象に迫ることができるようになった。また、最低限の知識は与えるが、問題や疑問が出てきたときに、その都度、教科書や文献等にあたらせており、問題を整理し、必要な情報を収集する能力が徐々に身につきつつある。このように、生徒の問題解決能力は、着実に伸長しているといえる。
4 今後の課題
しかし、3 成果にあげたような成果を期待するためには、多くの時間が必要であることはいうまでもない。また、教師の適切なアドバイスとスケジュール管理が不可欠であるが、教師一人あたり受け持つ生徒は10人程度が限度であろう。このように、効率は決してよいとはいえないが、効果の高い学習方法を定着していくには、学校全体での意思統一のもと、教員が一丸となって取り組む必要がある。
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1 はじめに
北海道高等学校理科研究会マルチメディア研究委員会は、平成15年度教育情報共有化モデル事業において、実験ダイジェストビデオの制作を行った。
その制作コンセプトと実際の授業で活用した際の効果を報告する。
2 制作のコンセプト
理科教員を取りまく状況として、授業時数の減少や授業進度優先などによる実験回数の減少傾向があると思う。しかしそれは、生徒のイメージ不足や「わかったつもり」につながり、結果的に進度が遅れ、さらに生徒実験を減らすなどの悪循環を招いているのではないだろうか。むしろ実験を積極的に行うことが、生徒の理解や授業進度につながるはずである。それでは限られた授業時間の中でどのような工夫が可能だろうか。生徒実験の手順や注目点を効率よく示した、実験ダイジェストビデオがひとつの有効な手段になると思う。
3 実際の効果
生徒に実験操作をさせる前にビデオを見せながら説明することで、まず実験時間の短縮が実現した。また生徒は的確な内容把握が可能になり、実験操作にも自信を持てるようになり、実験の高密度化が可能になった。あらかじめ結果を示すことになるので感動が薄れるのではないか、自ら考える場面が少なくなるのではないか、などといった問題も指摘されたが、実施してみると感動もさほど薄れず、観察眼や理解はむしろ深まる傾向にあった。
4 おわりに
実験ダイジェストビデオの制作は、パソコンの進歩に伴って素人にも敷居の高いものではなくなった。自作改良が可能でかつ具体的効果も確認されている。誰もが使える教材を目指すより、自分がもっとも使いやすい教材を目指すことが普及の鍵と思われる。
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1 はじめに
化学におけるコンピューターの活用について開成高校の化学教員(5名)で実践してきたことから、化学の授業での実質的な導入方法について提案したい。
2 コンピューターの活用方法
全国大会でも提起されてきた方法を確認すると次の5点である。a)CAIによる個別学習、b)実験計測およびデータ処理、c)シミュレーション、d)インターネットによる情報収集、e)プレゼンテーション
3 開成高校での実践例
本校での実施状況は次の通りである。
aのCAIについては、実施はしていない。
bの計測では、市販のソフト(マリス:パソリカ)を用いて融点測定のグラフ化に利用している。また、自作ソフト(本校内川先生作成)により、中和滴定のpH変化の曲線作成に利用している。
cのシミュレーションでは、金属イオンの分離などを自作ソフト(内川先生開発)で活用している。
dのインターネットについては、実験レポートの参考として生徒個人での利用を勧めている。
eのプレゼンでは、環境教育の単元で生徒個人での活用を勧め、演示のツールとして教員が活用している。
4 問題点
本校の現状での問題点を2つあげてみる。
・パソコン習熟者が増え、ソフトの説明では、画面情報 から自分で判断して次の操作に進めるため、教師の説 明を待ちきれない生徒が多く、説明を徹底しにくい。
・教員ごとにパソコンの習熟度が異なり、スキルの底上 げが大変である。この点は、他校では継続性の問題と いうことになるであろう。
5 提言
現段階では演示のツールとして積極的に活用するというのが現実的なところではないだろうか。教員個々のスキルアップによる全体の底上げこそが重要であり、演示の蓄積を行うことによって、生徒実験に降ろせるものが増えてくるものと期待したい。
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1 はじめに
私は、シミュレーションソフトやビデオ映像を自作し活用することによって、従来の教科書や板書による授業の形態を効果的に補完する方法を模索している。
コンピュータを授業に活用することによるメリットや、利用するに当たっての注意点などについて、幾つか感じたところがあるので、紹介してみたい。
2 シミュレーションソフトの活用によるメリット
私は、公式に則った概念図を任意の初期条件に応じて描画できるようなソフトをMicrosoft Excelを使って作成し、1998年頃から授業で活用している。
ソフトの導入によるメリットとして、次の点が挙げられる。@正確な概念図を瞬時に見せられるので、板書に要する時間が不要になり、説明に専念することができる。A動画で現象を説明できるため、動きを伴う現象のイメージを把握し易い。B初期条件の違いによって、物体の動きにどのような変化が現れるかを思考実験させたとき、その結果を瞬時に確認できる。
3 ビデオ映像の活用について
昨年から、従来の実験を補完することを目的として、実験映像を編集・加工し、授業で活用している。
ビデオ映像の利用によるメリットとして、次の点が挙げられる。@動きの速い現象をスロー再生で、じっくりと現象を観察できる。A実験室の中では不可能な実験を観察できる。B字幕や映像効果を加えることで、無駄の少ない説明が可能になる。
4 留意点と今後の展望
生徒からの要請に応じ、生徒と共に議論や試行錯誤を繰り返しながら作品を作ることは(出来の善し悪しは別として)実に楽しい作業である。しかし、予想以上の手応えがあると、「実験など不要だ」という錯覚に陥りそうになるので、一線を踏み越えないよう心掛ける必要がある。自戒の念を込めてここに明記しておく。
今後は、同様の活動をしている全国の先生方が、互いの作品を持ち寄って議論し合い、自由に利用可能なデジタルコンテンツ集が整備されることを強く望む。
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