答えは現場にある。「子どものため」に視点置きたい
”品質向上”教育にも
 
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 関西の公立高校では,初めて民間から大阪府立高校に就任する元松下電器産業四国支店長の中
尾直史さん(55)と,元住金マネジメント取締約人材開発センター長の木村智彦さん(55)。対
談の続編です。【文・高橋望,小川信,写真・山田耕司】
元住金マネジメント取締約人材開発センター長の木村智彦さん(55)
                    (きむらともひこ)
 
 木村 私は教育の世界にある程度の競争原理を導入することに賛成です。さらに教育の運動量
(費やしたエネルギー量)を3年間のスパンで定量化,数値化できないかなと考えてます。そし
て目標値と結果を分析する。企業でいうところの目標管理,品質生産性向上活動に似た感じのも
のですね。こういった運動は先生方全員参加で論議していく。当然,効率一辺倒の考え方がなじ
まないというのはよく分かるのですが。
 また,理解の早い子にはもっと機会を与え,そうでない子にはじっくり時間をかけて学ぶ場を
提供するといったような教育設計の自由度の導入もできたらいいな,と。
 中尾 目的意識を持たせたら,人間は強いんですよ。企業でも,「何のために仕事をしてるか,
人生って何なのか」を考えている社員,つまりは人生観,職業観,倫理観をきちんと持っている
人間は,能力の発揮度が違う。教育現場ではIT(情報技術)やバイオ,福祉といっ
たさまざまな分野で活躍できる可能性があることを生徒たちに教えていきたい。大人もそうなん
ですが,日本の子どもは夢や希望を持てなくなりつつあるから,いろんな問題が出てくるのでは,
と感じています。
 木村 茶髪論争など今の問題については,まだ現場に出ていないので速断できませんね。認め
るにしろ禁止するにしろ,その決定が規範になっていきますから,校長が学校の最後の良心だと
思って考えたいですね。校則などの問題は,最終的には自分の信念と愛情を持って判断し,自分
の言葉で伝えます。
 中尾 「みんなから認められたい,目立ちたい」という気持ちから茶髪にしたりするのであれ
ば,はけ口が違うように思います。その気持ちをほかにもっていかせるには,どう教えるか。私
のは「子どものためになるかどうか」ということです。
 木村 いずれにしろ,私の基本方針は,立国の基盤はモノづくりであるということを伝えてい
くこと。校長としてベンチ奥で指揮をとるのではなく全面に出て,いろいろなボールを現場に投
げ込んでいきたい。我々は教育長から「暴風雨のごとくやってほしい」と言われているんですよ。
 中尾 子どもたちのためになるかどうか。すべては,そこに視点を置いてやっていきます。あ
とは現場第一主義。答えは現場にあると。学校によっていろいろ事情が違うから,半年ぐらいは
勉強させてもらいたいですね。拙速はいけませんから。
    元松下電器産業四国支店長の中尾直史さん(55)
                (なかおなおふみ)
 
    ×   ×
 2人の赴任校が24日,内定。木村さんは高津高。中尾さんは今春開校の芦間高と,守口北高
を兼任する。
 
西暦2002年(平成14年)1月26日(土)毎日新聞夕刊
 
 
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