「日本最古の重り」出土 3世紀ごろ,交易の場?
長崎・壱岐
中国の史書「ぎ志倭人伝(ぎしわじんでん)」が伝える一支(いき)国の中心集落・原(はる)の
辻遺跡(長崎県・壱岐の芦辺,石田両町)で,弥生時代(3世紀ごろ)とみられる青銅製の重り「権
(けん)」が出土した。福岡市の柏原遺跡で出土した7世紀半ばの石製権より約400年古く,国内最
古。(平成14年1月)22日発表した長崎県教委の原の辻遺跡調査事務所は「さおばかりの重りとし
て使われたとみられる。3世紀ごろの一支国に交易の場があった可能性を初めて裏付けた資料」と評
価している。
遺跡の中の葬儀場遺跡とされる台地(芦辺町)で見つかった。高さ4.3センチメートル,幅3.5セ
ンチメートルの釣り鐘状。頭頂部に穴のあいたつまみの跡が残り,ひもなどをここに通してさおから
つるしたと考えられる。重さは150グラム。材質から中国・華北製。
ぎ志倭人伝は「倭」と呼ばれた2〜3世紀の日本に「大倭」が管理する市場があったと記している。
調査事務所は「宝石類などの計量に使った可能性がある」と推測している。【記者:住田里花】
青銅原料として輸入の可能性も
高倉洋彰・西南学院大教授(考古学)の話し
たった1個の出土だが,形からみて権に間違いないだろう。ただ,使ったのは原の辻の人か,交易で
やってきた外国人かはわからない。既に役割を終え,青銅原料として輸入された可能性も残る。権と
して交易で使われたとしても,400年後まで国内で出土例がないのはなぜか。新たな研究課題が増え
た。
長崎県壱岐・原の辻遺跡から見つかった日本最古の「権」
西暦2002年(平成14年)1月23日(水)毎日新聞