人類最古の模様か 7万7000年前の土片に
南アで出土
 
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【ワシントン斗ケ沢秀俊】幾何学模様が表面に刻まれた約7万7000年前の土片を南アフリカの洞窟
で見つけた,と国際研究グループが(平成14年1月)11日発行の米科学誌「サイエンス」で発表し
た。研究グループによると,過去に発見された「人類最古の壁画類」より4万年以上も古く,「人類
は中期旧石器時代の早い時期に,創造的行為など近代人としての行動を始めたことを示している」と
いう。
 発表したのは南アフリカ博物館のクリストファー・ヘンシルウッド博士と欧米の研究者らのグルー
プ。ケープタウンの東約300キロのインド洋沿いにあるプロンボス洞窟から,表面に模様のある「オ
ーカー」と呼ばれる赤みがかった黄土色の土片2個を発掘した。オーカーは鉄酸化物や水酸化物を含
む土で,黄色顔料の原料として知られる。
 オーカーは長さが約9センチメートルと6センチメートルで,それぞれの表面に縦横と斜めに走る
線で構成される幾何学模様が刻まれていた。表面を滑らかにした後に模様が刻まれていることや,模
様の複雑な形状から,自然にできたのではなく,人類が作成したと判断した。年代測定の結果,約7
万7000年前の土と判明したという。
 同博士によると,オーカーは旧石器時代の遺跡からしばしば見つかる。日焼け止めや装飾として顔
や体に塗っていたらしい。「模様の意味は不明だが,象徴的な意図があったかもしれない」と推測し
ている。
 人類が刻んだ最古の模様や絵はフランスのラスコー洞窟や周辺洞窟の壁画類で,約3万5000年前。
今回は一気に4万年以上もさかのぼる。
 人類誕生の地とされるアフリカでは,人類は約10万年前,解剖学的にみて近代人とほぼ同じにな
った。
 判断は難しい
竹岡俊樹・共立女子大非常勤講師(先史考古学)の話
 7万7000年前は古代型ホモサピエンスの時代だ。同時代のネアンデルタール人には埋葬の習慣が
あり,抽象的な思考ができたと考えられており,この時代に模様を描く能力がある人類がいても不思
議はない。しかし,模様が本当に人工的なものなのかどうかの判断は難しい。詳細な科学的分析が必
要だ。
 
 
西暦2002年(平成14年)1月11日(金)毎日新聞
 
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