海洋深層水で車エビ育成 受精卵から養殖に成功
沖縄の研究所
沖縄県海洋深層水研究所は二十六日,海洋深層水を使って車エビの受精卵から母エビまでの完全養
殖技術に成功したと発表した。
海洋深層水の低温性と清浄性の特性が,母エビの育成にも効果があることが実証された。
同研究所は昨年六月,沖縄本島西方の久米島に開所。沖合約二キロメートルの東シナ海の水深約六
百メートル(水温九度前後)から深層水を日量一万三千トンをくみ上げ,研究活動などに使っている。
沖縄県は全国一の車エビの生産地で知られ,生産額は年間三十億−四十四億円にのぼる。
しかし,県内には天然の車エビは生息していないため,母エビは九州・大分県などから入荷してい
た。
車エビは体長十五センチメートル前後の子エビまでは近海で成育するが,母エビは水温の低い沖合
の水深百−二百メートルに移動して,産卵することから,同研究所は水槽を低温に保つため,海洋深
層水を利用することにした。この結果,母エビの成育は順調で,体長約三十センチメートルに成長。
一万尾の母エビが五万尾に増えたことで,丈夫で色がよい母エビ一万尾を選び,今後の本格養殖に生
かすほか,母エビから生まれた稚エビ百五十万尾を県内の養殖業者に出荷できるまでになった。
同研究所の玉城英信・主任研究員は「母エビ育成が商業ベースで実用化されたのは初めて。県内の
車エビ業者の養殖事業を活気づけたい」と話している。
平成13年(西暦2001年)10月27日(土)産経新聞掲載