うちの花粉 お断り アブラナ科 雌しべ仕組み解明
奈良先端大学院大
 
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 自分の花粉が雌しべについても受精しないという植物の性質「自家不和合性」をもたらす機構
を,磯貝彰・奈良先端科学技術大学院大学教授(細胞間情報学)らのグループが明らかにし,(平
成13年10月)3日発表した。自家不和合性は,野菜などの品種開発にも利用され,その効率化
などにつながる成果だ。(平成13年10月)4日付けの英科学誌ネイチャーに発表される。
 実験にはアブラナ科のカブを使った。高山誠治・岡山大助教授によると,カブには100ほどの
系統があり,特定系統の花粉は同じ系統の雌しべについても花粉管が伸びないで受精せず,種子
ができないことが古くから知られていた。自家受精を防いで,遺伝的な多様性を守る仕組みだ。
 これまでに,花粉と雌しべがお互いに識別しあうためには,雌しべ先端のSRK,SLG,花
粉が持つSP11という3種類のたんぱく質が必要とされていたが,識別の仕組みは不明だった。
そこで,グループは特定の系統のSP11を合成し,これと雌しべの先のたんぱく質2種が同じ
系統のとき,かぎとかぎ穴の関係のように結びついて,花粉管を伸ばさせないように働き,自家
不和合性につながることを実験で突き止めた。
 同大学大学院の下里裕子さんは「自家不和合性はバラ科やナス科でも研究されてきたが,花粉
と雌しべの識別機構が分子レベルでわかったのは初めて」と話す。高山助教授は「識別が働いた
後,情報がどのように伝わって花粉管が伸びないのかなどを,今後明らかにしたい」と考えてい
る。
アブラナ科植物の受粉時の様子。異なる系統の花粉と雌しべの間では、編目状に見える花粉から雌しべ先端の
乳頭細胞に花粉管が伸びて受精する(左)。だが、同じ系統間では花粉管では伸びず受精しない(右)
奈良先端科学技術大学
 
西暦2001年(平成13年)10月4日(木)朝日新聞掲載
 
 
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