クーロンとクーロンの法則
クーロンは若年で軍隊にはいり技師をしていたが、病を得て退役してパリに帰り、技術者とな
り、パリ大学で科学の研究を行った。
静電気力の直接的な測定はクーロンによって行われた。その際彼が技術者としての経験をもっ
ていたことが幸いした。摩擦の法則の発見は1779年に行われたが、弱い力を測るためにねじり
秤を製作し、これを用いて電気についてのクーロンの法則を見出し(1785年)、また磁気につい
ても同様の法則の成り立つことを確かめた。
(1)同種電気間の斥力の実験 ねじり秤の構造は右図の通りである。中心につってあるCDは、
長さ75cm、質量 0.004g のきわめて細い銀線であった(この頃では、水晶の糸が用いられる)。
水平棒の一端に小球をつけ他端には円い平板をつけて、つりあいをとることとねじれ振動を空気
制動でおさえる役をさせた。他に、垂直な絶縁棒を固定させ、その先に金属の小球Bをつけた。
銀線の上端はねじり冠Cに結びつけてあり、Cは回転できるようにしてあり、その角度を目盛り
によって読むことができるようになっている。初め、銀線をねじれがないようにして、ある位置
におく。つぎにBとAとに同種の電荷を与える。BとAは反発しあって銀線がねじれる。そこ
で、ねじり冠を回してAがもとの位置にもどるようにする。そのときの回転角はCのところの
目盛りで読む。この回転角はねじれの弾性力に比例するから、AB間の静電気力につりあう力に
比例し、その位置での静電気力に比例する。初めの位置をいろいろに変えてこの実験を行い、2
球の距離と静電気力の関係を調べ、逆2乗則の成り立つことを確かめた。また、2球の電気量を
いろいろに変えて実験をおこない、静電気力が2球の電気量の積に比例することも確かめたので
ある。
(2)異種電気間の引力の実験
上の実験で球A、Bに異種の電気を与えたときの引力についても、前述のねじり秤は使えそう
に思われるが、そうはいかなかった。斥力の場合はつりあいの位置が安定なつりあいとなるのに
反して、引力の場合にはつりあいの位置が不安定なつりあいになるので、わずかな変動でつりあ
いの位置を逃げ出して、両球が接触してしまうのである。そこでクーロンは図のような装置でA、
Bに異種の電気を与え、Aを振動させ、その周期を測る方法をとった。単振り子の周期は重力の
平方根に反比例する。したがって、逆2乗側が成りたつならば、それは2球間の距離に比例する
はずである。このことを実測して確かめ、引力についても斥力と同様の法則が成り立つことを確
かめたのである。
クーロン