導入演示実験(熱)
212-001 温度と熱,液体窒素を使い見せる
■準備物:液体窒素(約1リットル),ビーカー,ゴムまり(テニスボール),
花,葉,バナナなど,軍手,ポリエチレン袋,写真用ハサミ
◆演示法:@約2分液体窒素の中でゴムまりを冷やし,1.5mぐらいの高さから
床に落とすとまるで陶器のように割れる。(他,花,バナナなどで−200℃の世界と
沸点の高低を実感させる)
Aポリエチレン袋の中に約1〜2tの液体窒素を入れ,指で上の口を閉じる。
数秒で袋は風船のようにふくれる。破裂しないよう指をゆるめる。(液体→気体の
体積の関係を考えさせる)
液体窒素は有料で学校に届けてくれる。保存容器(ジュワーびん)は学校で用意。
212-002 熱と仕事
■準備物:清涼飲料水の空きボトル(1.5リットル),ゴム栓,サーミスタ
温度計,ウレタンシート(断熱に用いる)
◆演示法:@清涼飲料水のボトル(1.5リットル)に約250ccの水を入れ,
最初の水温をサーミスタ温度計で計る。Aボトルをウレタンシートで巻き(手の熱
が入るのを防ぐため),3分間振り続ける。B水温が3℃ぐらい上がることを確認する。
ボトルを振り始めた瞬間は温度が下がる。たぶん気化熱のためと思われる。
212-004 仕事と熱
■準備物:硬質の木辺、長さ5cm程度の釘
◆演示法:硬質の木辺に5cmくらいの釘を打ち込み、その釘をねじりながら抜くと
手に持つことができないくらいに熱い。この熱エネルギーについて考えさせる。
213-001 エネルギーの変換と保存
■準備物:小粒の鉛(50g程度)、丈夫な布袋(ひもで縛れる袋)とひも
温度計(最小目盛り0.1℃)、鉄板
◆演示法:小粒の鉛を布袋に詰めて、その時の温度を正確に測定する。布袋の口をひもで
縛り、鉄板に向けて力強く投げつける。30回程度繰り返した後、再度鉛の
温度を測定すると、若干温度が上昇しているのが確認できる。
この演示実験より鉛のもっていた運動エネルギーが熱に変換されたことがわかる。
▲補足:投げた鉛の袋は直ぐに拾い上げて続けて投げる。
221-001 仕事と熱,摩擦熱の演示
■準備物:ガラスびん,粒状鉛,温度計または液晶型の温度計
◆演示法:広口びんまたはふつうのガラスびんの内側に液晶型の温度計を貼りつけ,
粒状の鉛を入れる。栓をして,説明または雑談をしながら5〜10分
の間振り続ける。この間に器内で数度の温度上昇が認められる。
ふつうの温度計を用いてもよいが,液晶タイプのものは振動に強
く,容器を開ける必要がなく,連続的に観察できる。
221-002,222-001 分子運動,シャルルの法則
■準備物:透明円筒(アクリル製),大型スピーカー,低周波発振機,増幅器,
ビーカー(大),湯,丸フラスコ,L字ガラス管,色のついた液体
◆演示法:@分子運動モデル−大型スピーカーを上向きに置き,
アラザン(デコレーションケーキの銀色の粒)をまく。透明の円筒を
かぶせ,スピーカーより出る発信音(約140Hz)で振動させる。
Aシャルルの法則−ビーカーの中に湯をいれ,丸フラスコの中の
気体の温度を変化させ,色のついた液体の移動量より体積の変化を測定する。
231-002 分子運動論
■準備物:径1.5cmガラス管(長さ60〜75cm)2本、ゴム栓(4号)4個
ものさし、脱脂綿(ガーゼ)、銅線(単線)、ふた付きシャーレ2個、
濃塩酸、濃アンモニア水
◆演示法:図のようにHCl分子とNH3分子がガラス管の中で運動して、NH4Clを形成する。
下図のように雑巾で包んで左右に温度差を設けた場合と、上図のように雑巾
をかぶせず温度差を設けなかった場合とを比べると、a´> aとなり、気体分
子の速度は温度によることがわかる。
気温のままでは、 a/b ≒(400m/s)/(660m/s)≒2/3となる。
232-001 断熱変化
■準備物:丸フラスコ,大型注射器(100cc),ゴム栓,ゴム管,
印刷機のインクカートリッジ,温度センサー
◆演示法:@丸フラスコに少量の水と煙を入れ,マッチをすってほうりこみ,
注射器のピストンを急激に移動させるとよい。フラスコ内に温度センサー
(サーミスタット等)を入れて,微妙な温度変化を計測するとさらに効果的である。
A印刷器のインクカートリッジの管を利用して演示をしてもよい。
242-002 熱力学の第1法則
■準備物:丸底フラスコ(1000CC又は500CC用)、注射器(100CC用)
アルコール又は水、ゴム栓、線香等の煙
◆演示法:図のようにフラスコにアルコール(又は水)を入れて、線香等の煙を吹き込
んでゴム栓をする。ゴム栓には穴をあけて注射器を接続しておく。フラスコを
数回振ると、フラスコ内にはアルコール(又は水)の蒸気が充満する。この状
態で注射器のピストンを押したり引いたりする。
@ピストンを押すと、気体に仕事されたことになり、
ΔU = Q+W = 0 +W>0 となり、内部エネルギーは増加し、フラスコ内の
温度が上がりフラスコ内の霧は晴れる。
Aピストンを引くと、気体は外部に仕事したことになり、
ΔU = Q−W = 0−W<0 となり、内部エネルギーは減少し、フラスコ内
の温度が下がりフラスコ内の霧が濃くなる。
以上のように、気体の外部との仕事のやりとりによって、気体の温度変化が確
認でき、熱力学第1法則を実証できる。
▲補足:・水よりもアルコールの方が霧の濃淡がはっきり現れる。
・ピストンの出し入れは短い時間で行うため、断熱変化と見なすことができる。
従って、ポアソンの公式よりフラスコ内の温度変化を計算させてもおもしろい。